この記事では現役不動産管理会社社員(業界歴10年以上)かつ現役不動産投資家が、
不動産管理会社へ転職・就職を考えている人に
独断と偏見でアドバイスをするページです。
私は現在30代女性ですが、20代・30代の業界未経験の人や不動産会社へ転職を考えている方に読んでほしいです!
結論:不動産業界未経験なら管理会社以外がおすすめ
不動産業界が初めてだったら、賃貸仲介や売買仲介の会社に先に就職することをおすすめします。
特にまだ20代で独身だったら、なおさらです。
理由は、稼げるからです。
いまの20代って稼げることより安定の方を求めているのかしら?
管理会社は給料は安いし、クレームに散々あって結構精神的にきついですよ。。。
だったら給与が高い、営業系の仕事をして、そのノルマに飽きたら、管理会社に転職したらいいです。
私のいる会社も中途採用ばっかりですが、ほぼ不動産仲介経験者です。
管理会社では手ごわいクレーマーと対決するため、そこそこの知識と言い負けないコミュニケーション力が必要です。
用語や不動産関係の法律がわからないのに、あらゆる人間に対応するのは難しいです。
仲介店で、そこそこ不動産ワードを勉強してから管理会社に転職することをおすすめします。
不動産管理は楽?きつい?
楽に感じるか、きついかは、個人の能力や、会社の社員数・規模などにもよります。
一人で1000戸近く担当していた時は本当にしんどかったし、
毎日毎日、クレームや契約や営業やらで倒れそうでした。
また、人と話す仕事なので、コミュニケーションが得意な人の方が有利ですね。
法律の知識や契約書を読み込む力も必要です。
緊急事態が起きたときはとっさの判断ができることも大切になります。
これだけやって、給与は安定しているものの、そんなに上がらない…営業でバリバリやったほうがもっと稼げる…
という不満が多い人がいるのは確かです。
ただし営業ノルマがないので、上司からのプレッシャー、社内はライバルでバチバチというよりかは
みんなでクレームを共有しあったり助けあったりする風土でした(会社による)。
不動産管理に向いている人
不動産管理に向いている人は、以下のような人です。
対人スキル
一般的にコミュニケーション能力というやつです。
入居者やオーナー、業者とのコミュニケーションが多いため、円滑な人間関係を築けるコミュニケーション能力が求められます。
問題解決能力
予期せぬトラブルやクレームに適切かつ迅速に対応できる能力が必要です。
毎日いろんなニュースにできそうなことが起きるので、単調な日々の繰り返しじゃない仕事をしたい人にはうってつけです。
組織力と時間管理
複数の業務を効率良く管理し、優先順位をつけて対応できる組織的な思考が求められます。
マルチタスクができないと仕事が回りません。仕事をぶん回す性格の私でも、あ!あれ忘れてた!みたいなことが良く起きます。
柔軟性
さまざまな状況に適応し、柔軟に対応できる柔軟性が重要です。
不動産は一つとして同じものはないので、以前はこうだったけど、今回はどうだろう?と考える力が必要です。
詳細に注目する目
契約の詳細、設備の状態など、細部にわたる点検と注意が重要になります。
細かい契約書を読む仕事もあるし、現地の物件では些細な変化に注目できると一目おかれます。
例えば、変なにおいがしたと思ったら人がなくなっていた、とか管理人さんの具合が悪かったとか、
掲示板があれている、昔のチラシが貼ってある(いたずら)などです。
ストレス耐性
「クレーマーに対する」ストレス耐性はあった方がよいです。
今日も飲み会のネタが増えたwと思えるようになると一人前です。
上記のような特性があると、不動産管理の仕事に向いているといえる可能性が高まります。
また、経験を積むことでこれらのスキルを磨くことも可能ですので、
未経験であっても関連する知識やスキルを学び意欲的に挑戦する姿勢も重要となります。
不動産会社の違い
さて、ここでは、不動産会社ってたくさんあるけど、代表的な2つの種類について解説します。
賃貸仲介営業会社
例えば、ア●マン、エイ●ル、ミニ●ニ等の街中にある賃貸仲介の会社のことです。
就業時間はかなり長いです。朝の9時すぎから夜の10時くらいまでは当たり前。
1~3月になると0時を回ることもあります。逆に、お客様対応で朝早くから出回っている方も。。。
※コロナの影響でだいぶ営業時間が短くなっている(=残業時間が減っている)店舗も多いです。
ただし、「営業」ですので、やればやるほど売上があがり、お客様に感謝されるのでやりがいがあるのも事実です。
当然、営業実績は給料にも反映しますので、若いうちに経験するという目的であれば、やりがいがあります。
世間ではブラック企業が・・・とかありますが、サービス業ですので、ほとんどが自ら進んで残業しているケースが多いです。
売り上げのためやお客様のため、と思えるのであれば、決してブラックではないと思います。
実際は休みも少ないし、体力的にもしんどいので、ブラックといえばブラックですね。。。
ただ、どうしたらお客様に気に入っていただけるか等、コミュニケーション力もつきますので、20代のうちに経験しておくと、その後の人生の役に立つでしょう。
マンション、一軒家、それに住む人々のことが好きな方にはおすすめの仕事。
定年という概念がないので、資格を取って独立する人も多いです。
アパートやマンション管理会社
就業条件でいうと、仲介会社よりかは楽かもしれませんが、実は重労働です。
そしてノルマはないですが、年収は低いです。
管理を自社でどこまでやっているかにもよりますが、
主な仕事内容は下記です。
・夜間の騒音トラブルや水漏れ対応
・マンションの共用部の電気切れの管理
・入退去の管理(原状回復工事の発注・室内確認)
・家賃管理(家賃遅れている人へ督促等)
場合よっては、事件や事故に警察と立ち会ったり、死んでいる人を発見したりすることもまれながらあります。。
基本的な就業時間や土日休み等、一般的な会社ですが、何か問題が起きた時は休みも関係ないです。
先日も震度5弱の地震の際はエレベーターが止まり、深夜から多くの社員が問い合わせ対応に追われました。
マンションの空室が埋まらないときは所有者からクレームを受けることもやまほどあります。
対策を考え、どうすれば入居率が上がるかを提案します。
普段は各不動産賃貸仲介会社を回って、客付けをお願いする営業活動もしています。
ラクそうで決してラクではないです。
また、管理会社も売り上げや目標等の設定があります。
賃貸営業と違って、直接お客様に営業はしませんが、
仲介会社やオーナーにお願いしないとその売り上げも上らないので、不動産会社の人と仲良くなるためにいろんな付き合いをしたり飲み会にいったりとストレスがたまる仕事です。
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参考賃貸管理は病むしきついしストレス。仕事内容とクレーム事例を解説
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不動産業界で宅建は必須?
不動産業界では宅建は運転免許みたいなものです。
取れないと確実に馬鹿にされます。私の会社は大手管理会社で中途ばかりですが、宅建持っていないと転職できないレベルでした。
賃貸仲介だと業界初心者が多いので、そこに転職して、勉強しつつ、働くのもいいと思います。
仲介会社のできる営業マンは意外と宅建を持っていない人が多く、
宅建を取ると法律を意識しすぎてしまって、売り上げが下がったなんて話を聞いたことがあります。
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参考宅建は役に立たない?宅建士やめとけやオワコンと言われる理由となぜ人気があるのかを解説!
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不動産管理会社への転職は失敗だったか?
転職で不動産管理会社に就職して、11年程勤めました。
休みはほぼきちんととれるし、有休も消化できるし、物事ははっきり言える性格になったし、
いいことはたくさんありました。
ただ、「言い方がきつい」と主人によく言われます。性格もあるし、職業病かもしれません(汗)
人に心から感謝されることが少ない仕事かもしれません。(ゼロではない)
不動産の知識はついたので、失敗ではなかったような気がしますが、とても仕事が楽しい・充実している!とはいいがたいです。
ただ、コロナ流行によって、仕事の在り方などを考えさせられたとき、医療・福祉とは違いますが、住宅に関する仕事なので必ず必要になる仕事ではあるなと感じました。(部門によってはどんどん機械化・ロボット化が進むが)
休みがとれるかは、会社次第なので、管理会社に就職したからと言って必ずしも私のようになるとは限りません。
また、地元の駅にあるような不動産屋さんは管理と仲介をどちらもされていることが多いので、
管理会社と仲介会社の両方の側面を持っていて、どちらも学べそうです。
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参考賃貸管理は病むしきついしストレス。仕事内容とクレーム事例を解説
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不動産会社への転職 まとめ
不動産会社への転職は、性格次第です。
人と話すのが好きで、売り上げが上ることでモチベーションを維持できるのであれば、賃貸・売買の営業。
地道な活動と、一人の人と長く付き合っていけるようなタイプで、細かい作業もコツコツ正確にできるのであれば、賃貸管理。
わからないからどっちもやってみたい人は、賃貸も管理もしているような会社を探してみましょう。
(大手だと賃貸・管理部門にわけられてしまいますが、小さい会社ならどちらも経験できるかもしれません)
20代の方は、社会的に厳しい環境である不動産業界に身を置くことで、自身の成長にもつながりますし、それに慣れてしまうと、他の会社がどれほど楽か実感できます( *´艸`)
不動産業界に入る方に一言。
「なにくそ」の精神で頑張ってくださいね。
具体的な仕事探しはこちらが便利→キャリアインデックス