不動産投資

信用金庫から信用保証協会付融資で運転資金を借りた:弱小法人の融資突破マニュアル

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今回は、不動産賃貸業で運転資金の確保を試みた話を書きます。

結果として、運転資金300万円を借りることができたので、ご紹介します。

数ある選択肢の中から、私が選んだのは「信用保証協会付融資」を、地元の信用金庫から引くというルートです。

この方法は、金利の低さ、長期の返済期間、そして公的な保証による安心感という、中小企業にとって最もメリットの大きい資金調達法です。

この記事では、私が実際に経験した「決算書準備から融資実行までの全手順」を

融資を成功させた具体的な体験談としてお伝えします。

資金調達に悩む多角経営者の方の「次の一手」のヒントになれば幸いです。

 

第1章:大前提!融資審査を突破する「土台作り」

銀行や信用金庫の融資担当者、そして信用保証協会(以下、「保証協会」)が、

最初に、そして最も重視するのは「この会社は、借りたお金を確実に返してくれるか?」という一点です。

ここが揺らぐと、どんなに熱い事業計画を語っても融資は遠のきます。

まずは、融資を受けるための「土台」を徹底的に整備しました。

 

1-1. 決算書は「融資担当者目線」でキレイにする

私が最も時間をかけたのが、決算書の見直しです。

融資担当者がチェックする項目は非常にシンプルですが、重要です。

チェック項目 担当者が確認すること 対策
利益水準 融資の利息と元本を支払えるだけの経常利益が出ているか? 直近の試算表まで用意し、利益が向上している傾向を示す。
債務超過 資産よりも負債が多い「債務超過」の状態ではないか? 債務超過は致命傷。解消が難しい場合は、増資や借入金の一部を資本に振り替えるなどの手立てを検討する。
自己資本比率 会社の体力(純資産)は十分か? 理想は20%以上。役員借入金も入れてOK。低い場合は、事業外の個人的な資産をアピールすることも視野に入れる。
資金使途 借りるお金の目的と金額が合理的か? 「運転資金」だけでなく、「〇ヶ月分の仕入れと、人件費の〇割に充当」など、具体的な内訳を準備。(ここは最後に信金担当者さんが一緒に考えてくれた)

特に、節税対策をしすぎた結果、決算書の利益が過度に圧縮されていないかを確認しましょう。

「利益が低い=返済能力がない」と見なされます。

融資が必要な時期の数年前から、「融資を受けるための会計」を意識することが重要です。

資金使途ですが、文書での作りこみが甘く、最後に信金の担当者さまに電話でこういう経費ってことで大丈夫ですか?と何度も聞かれました。

不動産事業における「運転資金」の使途の例をあげておきます。

  • 広告宣伝費(AD)
  • 家賃滞納発生時の準備金
  • 不動産を勉強するためのセミナー代・書籍代(研修費)

なお、下記のようなものは「設備資金」に分類されてしまいます。

  • 修繕費(大規模修繕も含む)
  • 原状回復工事費
  • 物件取得の際にかかわる費用(仲介手数料、火災保険等)

不動産賃貸業で「運転資金」を借りるのは難しいといわれるのは、

なかなか「運転資金」の名目を見つけることができないからなんですね。

 

1-2. 保証協会の融資制度を徹底的に読み込む

例えば、川崎市であれば、

「川崎市」と「神奈川県」の保証制度が使えます。

この二つのホームページを読み込んで下記のようなことを勉強しました。

  • 不動産賃貸業に使える融資はどれか
  • 自分たちの創業年数で使えるのはどれか
  • 「責任共有」「責任共有対象外」とは何か

このあたりを勉強して、最初の一発目は「責任共有対象外」で「運転資金」を借りて、

のちに不動産物件購入で「責任共有」制度で「設備資金」を利用しようと考えました。

 

1-3. 融資に必要な資料は完璧に揃える

金融機関へ相談に行く前に、求められるであろう資料をファイルにまとめて準備しておきました。

    1. 直近3期分の決算書・確定申告書一式
    2. 直近の月次試算表(前月または前々月まで)
    3. 借入金残高一覧(他社からの借入れがある場合)
    4. 会社・事業概要資料(登記簿謄本、事業内容説明、主要取引先一覧など)
    5. 連絡文書【希望の保証制度名を明記、保証協会の連絡先案内】
    6. 事業計画書(資金用途も明記)

【重要ポイント】

特に「事業計画」は必須ではありませんが、必ず作成すべきです。

これは、事業主である私の「本気度」「将来の展望」を金融機関に伝える唯一の文書だからです。

 

第2章:ステップバイステップ!信用金庫と保証協会へのアプローチ

土台が整ったところで、いよいよ具体的なアプローチに入ります。

信用保証協会付融資の流れは、下記の通りです。

  1. 保証協会」面談
  2. 金融機関(信用金庫など)」にて面談

まず、保証協会にどうアプローチしようか考えていたところ、

図書館で偶然「信用保証協会による起業家向け無料相談」というチラシを見つけました。

公的な場所で相談できるとのことで、早速チラシの手順に沿って申し込みを行い、

保証協会の担当者様と会うことができました。

いきなり保証協会に電話をしてアポイントを切るのはハードルが高いと思っていたので助かりました。

こういった相談会がなくても、保証協会の制度を勉強して、自分でアプローチして担当者に会いにいってみましょう。

ただし、しっかり知識とつけてからいかないと「何しに来た?」と思われて時間の無駄になってしまします。

 

2-1. 信用保証協会との相談会

保証協会が主催している相談会でしたので、終始なごやかな雰囲気でした。

事前に聞きたいことを提出してはいるものの45分間しかない時間はあっという間でした。

相談会でヒアリングしたことはざっくり下記のとおりです。

 

不動産担保融資保証制度について

不動産を購入するときに利用する制度。

保証金額の80%の保全を要するとのこと。

つまり、積算価格が80%を超えていないと利用できないとのこと。

どのような物件なら融資金額が伸びるか?などもヒアリングしました。

融資エリアは各金融機関の融資エリアとのこと。

 

運転資金についての相談

次に運転資金を借りたいと相談したところ、

やはり基本的には不動産賃貸業では運転資金は出しにくいとのこと。

しかし、貸せるとした時の決算書からの算出方法(計算式)を目安で教えていただきました。

(貸してくれる気あるじゃん!と感じたw)

私たちの決算書を使いながら具体的に計算してくださり、どのぐらい借りれるのかがわかりました。

なぜ今ある決算書になったのか、ということが説明できると強いです。

つまり、「運転資金の必要性」や「事業計画」を語ってねということです。

 

金融機関選定の相談

現時点で1つの信用金庫とは取引があるので

既存以外に新規開拓したいので、どこの金融機関が良いか相談させていただきました。

紹介を受けて、保証協会のご担当者様のお名前を出して連絡しても良いか確認して、

自分で信用金庫にアポイントを取ることにしました。

 

 

2-2. 「信用金庫」と面談

「信用保証協会」の相談会が終わった後は、すぐに紹介を受けた「信用金庫」に電話をしてアポを取ります。

「信用保証協会の〇〇さんからご紹介いただいて~」と話し始めるとすぐにアポイントが取れました。

 

初めての面談では、融資希望額、使途、そして「責任共有対象外の●●という制度で保証協会付融資を希望する」旨を明確に伝えました。

これは伝えるだけではなく「文書で示す」ということも大切です。

保証協会の制度はた~~~くさんあります。信金の担当者様が迷わずに行くためです。

そしてこの文章には信用保証協会の担当者様のご連絡先もいれておきます。

私の場合、信金の担当者様と信用保証協会の担当者様はもともと知っている仲だったのでとても話が進むのが早かったです。

 

 

2-3. 保証承諾と融資実行!

信用金庫との面談が終わると、あとは信用金庫の担当者様があくせくやり取りをして進めてくれます。

希望運転資金は200万円だったのですが、信金の担当者様が「200万円だと10年で割れないから300万円にしとくね!」とかいう謎の理由で増やしてくれましたw(有難すぎる)

保証協会から「保証承諾」が得られると、融資の9割方成功したと言って過言ではありません。

承諾が下りると、金融機関(信用金庫)は保証協会からの保証を担保に、融資実行に向けた最終手続きに入ります。

  1. 金銭消費貸借契約の締結: 信用金庫に出向き、融資契約書(金消契約)に署名・捺印を行います。ここで、金利、返済期間、毎月の返済額、そして「信用保証料」が最終決定します。※信用保証料: 融資額と保証協会が定めた料率(企業の信用度、保証制度によって異なる)に基づいて決定され、融資時に一括または分割で支払います。
  2. 融資実行: 契約の数日後、指定した口座に借入金が全額振り込まれます。

私のケースでは、信用金庫に相談を始めてから約1ヶ月半で融資が実行されました。

このスピード感は、信金の担当者様が味方になって全力で動いてくださったことと、事前の資料準備を完璧に行った結果だと感じています。

 

 

第3章:実体験から語る!成功を分ける3つのポイント

私の経験から、保証協会付融資をスムーズに成功させるために「これをやっておいて本当によかった」というポイントを3つご紹介します。

Point 1:金融機関を「パートナー」と捉えよ

融資を単なる「お金の貸し借り」と捉えると、審査は厳しくなります。私は信用金庫の担当者を「事業の課題を一緒に解決してくれるパートナー」として接しています。

  • ネガティブ情報も隠さない: 過去の失敗も正直に伝え、「それをどう乗り越えるか」という解決策を提示しました。隠し事は不信感につながります。
  • 日頃からコミュニケーションを取る: 融資が必要でなくても、定期的に業績報告や経営課題を相談することで、信頼残高を積み上げておくことが、いざという時に効きます。

 

Point 2:事業計画は「熱意と具体性」で埋め尽くす

保証協会は特に「未来の返済能力」を見ます。そのため、事業計画の出来が極めて重要です。

私はA4で半分程度しか書いていませんが、未来どうなっていたいか、最終目標はなんなのか、

直近の事業の安定性などについて書きました。

 

計画書は、誰が読んでも納得できる具体的で論理的な「ストーリー」でなければなりません。

 

 

Point 3:公的制度の知識は自分で武装する

保証協会付融資には、「セーフティネット保証」「創業関連保証」など、さまざまな制度があります。

どの制度に当てはめると金利や保証料が優遇されるか、融資期間が長くなるかを事前に自分で調べておくことも大切です。

担当者に「〇〇制度の利用は可能でしょうか?」と聞くことで、「この事業主は勉強しているな」という印象を与え、より有利な条件を引き出せる可能性があります。

保証協会の制度はインターネットなどから簡単に一覧で入手できます。

 

 

終章:運転資金調達を終えて、次のフェーズへ

今回、信用保証協会付融資を通じて運転資金を調達できたことは、事業の持続可能性を高める上で非常に大きなターニングポイントとなりました。

お金を借りることは、未来の成長に向けた「投資」です。

私が今回の融資で学んだ最も重要な教訓は、「資金調達は事業戦略の一部であり、準備が全て」ということです。

読者のみなさまの会社の「決算書」は、融資を受けるための準備ができていますか?

この体験記が、読者さまの事業を次のフェーズへと進めるための、確かな一歩となることを願っています。

ぜひ、地域の信用金庫の扉を叩いてみてください。その一歩が、未来を切り拓く鍵となるはずです。

 

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