今日は当ブログ記事で「賃貸不動産」(賃貸マンション)の管理会社の仕事内容について書いていきたいと思います。
マンションの管理会社といっても、賃貸用のマンションの管理会社と分譲マンションの管理会社があることはすでにお伝えした通りです。→不動産管理とは?不動産管理会社の違い|賃貸管理会社と分譲管理会社がある
賃貸不動産の管理会社って一体なにしているの?
どんな仕事があるの?
転職したいので気になる!
実際仕事はきついの?
などの質問にお答えしていきます。
この記事でわかること
- 賃貸不動産の管理会社の仕事内容
- 仕事のきつさ
- 仕事のやりがい
※賃貸不動産管理会社といっても、同じ会社内で賃貸仲介や売買仲介をしている会社もあります。
あくまでも本記事では「管理」の部分についてのみお伝えします。
賃貸不動産の管理会社の仕事・業務内容
不動産管理会社の仕事内容のメインは4つです。
- 客付け(空室対策・仲介会社とやりとり)
- 入居者対応
- 建物管理
- オーナー対応
1.客付け(空室対策・仲介会社へ営業)
管理物件で入居者の退去があったあと、空室になった部屋をきれいに原状回復工事をし、空室を埋める活動(入居者募集)をおこないます。
広告宣伝活動
入居者を集めるための広告宣伝活動をおこないます。
募集物件の図面(いわゆるマイソク)を作成し、不動産検索ポータルサイト(レインズ・ホームズ・スーモ・アットホーム等)への掲載、仲介会社への客付け依頼の営業をします。
仲介会社への営業は、訪問活動だけではなく、メール・電話・古いですがFAXを使っていた時代もありました。
入居希望者の内見案内対応
私が勤務する会社ではほぼ、仲介会社がインターネット上で予約をしてくださり、空室のご案内に行ってくださいます。
時々、自分たちでも行きますが、案内はほかの業務でいっぱいなので、極力入居希望者の内見案内対応はいきません。
仲介会社だけだと物件のすべてをわかるわけではないので、問い合わせがきたときにスムーズに対応できることが重要です。
賃貸借契約の対応
入居者が物件を借りることが正式に決定したら、賃貸借契約を締結します。
入居希望者に支払い能力があるか、犯罪者ではないかなどをチェックする入居審査をおこない、緊急連絡先、勤め先に情報に偽りがないか等を確かめ、結果を物件オーナーに報告します。
問題ない場合、「重要事項説明」と「賃貸借契約書」を正式に締結します(仲介会社がいる場合は仲介会社に郵送)。
引き渡しの日には、鍵の受け渡しを行います。
2.入居者対応
現在管理物件に住んでいる入居者の対応もおこないます。
家賃回収業務
入居者から家賃を回収するのも管理の仕事です。
基本的には銀行口座からの引き落としが多いですし、多くの方は家賃をきちんと支払います。
しかし、全体の10%くらいはうっかり忘れていた人がいて、
全体の1~2%は支払いが厳しい、等の理由から滞納してしまうケースがあります。その場合は、家賃を支払うように催促しなければいけません。
家賃の保証会社がある場合は事故報告として報告し、代わりに入金した貰い、家賃保証会社が入居者に督促をしてくれます。
クレーム対応
近隣住民からの騒音、異臭、ゴミの出し方、漏水などの設備不具合など、入居者からのクレームを受けるのも管理の仕事です。
具体的なクレーム内容としては「隣人の足音や生活音がうるさく寝れない」「ペット禁止物件で猫を飼っている人がいて異臭がする」「バルコニーでタバコを吸っている人がいる」などがあります。
管理会社の対応時間外の大きな騒音等は警察に対応依頼したりもしますが、根本解決にならないので、長く付き合くケースが多いです。
24時間対応してくださる窓口(会社)と提携して、緊急の設備不具合は管理会社で背負わないこともあります。
契約更新業務
一般的に賃貸住宅は、契約期間が2年程度に決まっています。2年経ち、更新時期を迎えたときは、契約更新業務をおこないます。
契約更新の際には、合意書を作成し入居者に了承を得ます。そして、平均1ヶ月分の更新料を受け取ります。ただし、更新料は地域によっても違いがあり、全国的にはない方が多いようです。
東京圏は当たり前にあります。更新料と言ってもオーナーもしくは管理会社のただの収益です。
更新せずに退去する場合には、退去用の手続きをおこない、退去時の立ち会い、部屋の原状回復の工事の発注・生産をおこないます。
3.建物管理
不動産管理と言われて一番分かりやすいのが「建物管理」かもしれません。
建物定期点検&メンテナンス
物件の定期点検、メンテナンスをおこなうのも建物管理の仕事です。建物は何もしなくても時間の経過と共に老朽化します。
具体的な作業としては、共用部と言われる、玄関、エレベーター、駐車場、廊下などの清掃や、外壁などにヒビが入っていないか、電気、ガス、水道などの設備点検です。
また、所定の場所に消化器などの消防用具が設置されているか、非常ベルは正常に作動するかなど防犯上重要なポイントも確認する「法定点検」もおこないます。
そして、監視カメラや警備員が必要な場合は、警備会社と連携する必要があります。
長期修繕計画の作成
物件を将来にわたって、どのように維持・管理してくのかを決めたものが「長期修繕計画」です。
築10年以上経つと、どうしても大きな計画工事が必要となってきます。建物に何かあって、入居者や近隣住民に被害が出てからでは取り返しがつかないことになります。
この計画をもとに、保守や点検などをおこないます。
多くは専門業者に委託することが多いです。
工事・リフォーム必要時の発注
工事・リフォームが必要になった場合の発注も管理会社の仕事です。
老朽化で下がってしまった不動産の価値を上げることを目的に、工事が必要な部分を指定し、発注先業者を選び、実際に工事がおこなわれるまでを仕切ります。
4.オーナー対応
入居者募集時の条件相談
入居者を募集する際には、家賃などの条件をオーナーさん(大家)に相談します。
ただし、オーナー(大家)さんの立場で考えると、「お金を出して委託しているので具体的な提案をしてほしい」と考えるのが普通なので、相場を調べたり、近隣業者にヒアリングを行ったりして、具体的な提案をします。
相談の上、賃料・礼金・広告料等を決定し、相談した金額で空室の募集をします。
特に「空室」は物件オーナーにとって、大きな損失に繋がるため確実性の高いアイデアが求められます。
家賃の送金
入居者がオーナー(大家)に直接に家賃を支払うのではなく、管理会社を経由することが多いです。
直接支払った方が効率的なのでは?と思うかもしれませんが、オーナー(大家)からするとお金のやりとりは面倒で、入居者数が多ければ仕事量も増えます。
そのため、プロに任せた方が安心でラクだからです。上記で述べたように滞納が起こった際も管理会社が入っていれば、オーナーは待っているだけでいいのです。
またオーナーに家賃を送金する際に、管理会社の管理手数料をひいて、オーナーに送金します。
発生トラブルの報告
管理物件でトラブルが発生した場合は、オーナー(大家)へ報告する必要があります。
管理を請け負っている以上、具体的な解決手段は考えるのは管理会社ですが、オーナーさんの意向も尊重する必要があるからです。
特にお金が発生することはオーナーの了承がないと管理会社も勝手に動くことができません。
仮に、トラブルにより物件が破損し修理・リフォームが必要になった場合には、その具体的な計画の提案もおこないます。
賃貸マンションの管理会社の仕事できついこと
仕事の幅が広く、覚えることも多いため「きつい」「辛い」のも事実です。
きついこと
クレーマーの対応
滞納督促
傲慢なオーナーとのやり取り
事故物件の現場に立ち会うことも
上記の管理業務の仕事だけを見ても、やらなければいけないことは数多くあります。
物件数や会社の規模によっては縦割りに分業されています。
入居者からのクレームは、内容によっては罵声を浴びせられることも多々あります。
家賃滞納者の自宅に訪問をした時には、電気・ガス・水道が止められている中、生活をしている滞納者の姿を見ることもあるでしょう。(警察と立ち合いで行きますが場合によってはなくなっているときも…)
退去時の原状回復工事費用も、金額に納得が出来ないから支払いたくないという入居者もいます。入居者だけならまだ良いですが、オーナーにもなんとか費用を回収してこい!と言われることがありますので、両者の間に立たされた時には苦戦するケースもあります。
コロナ禍になって、自宅にいる時間が増えた人が多く、自宅に対して快適さを求める人が増えました。
快適な住環境が失われると、人は、管理会社に電話をかけ、騒音問題についてクレームを入れます。
このような理由から、離職率が高いというのもうなずけるのではないでしょうか?
賃貸不動産の管理会社でのやりがい
仕事をある程度覚えることが出来れば、物件オーナーと入居者の両方から感謝されることになり「やりがい」を感じる場面もあるでしょう。
不動産会社と言うと、「クレーム産業」というような時代があったのも事実です。
確かに昔は非常に酷い会社もありました。しかし、近年では女性も増えてきて、業界全体が変わろうとしているのが見受けられます。
ここでは、賃貸管理の仕事は大変なことも多いですが、その一方のやりがいをご紹介しましょう。
入居者トラブルを解決したとき
賃貸管理業はクレーム産業、トラブル産業と言っても多いぐらい毎日小さなトラブルから大きなトラブルまでたくさん対応しなければなりません。
しかしそんなトラブルを解決した時には、かなりの達成感を感じることができるでしょう。
中でも手ごわいクレーマーから最後に「ありがとう」と言わせた時に何とも言えない満足感を味わうことができます。
給料は高額ではありませんが安定しており、ノルマ等はないので不動産業界では比較的ストレスが少ない職種であるといえます。
誠実な仕事を心がければ、オーナーや入居者に深く感謝されることもあり、やりがいを感じることも多いでしょう。
オーナーから感謝されたとき
賃貸管理会社は毎月オーナーから一定の管理料をいただいて運営をしています。
そんな顧客であるオーナーから感謝されることがあります。
例えば、部屋が満室になった時や、トラブルに対して迅速な対応をおこなった時などに、
「○○さんが担当で良かった」とか「お陰で助かりました」などの感謝の言葉を直接いただいたりすることも多いので、やはり感謝されると嬉しいですし、やりがいにもつながります。
たくさんの人とつながりを持てる
賃貸管理の仕事では、たくさんの人と関わりを持つことができます。
物件オーナーや入居者はもちろん、仲介会社、同業他社、リフォーム会社など毎日色々な人とコミュニケーションをとることができる為、幅広い話題に触れることができて知識を得ることができます。
不動産や修繕の知識が身に付く
仕事をしていると当然不動産に関する知識は身についてきますし、あとは小修繕などが自分でできるようになるので普段の生活でも役立ちます。
鍵交換やダイヤル式ポストの開錠方法、郵便物の宛先違いの返送方法、ブレーカーの取り扱い方など、誰に教えてもらったわけでもありませんができるようになりました。
賃貸不動産管理会社のメリット
ノルマがない
不動産管理の仕事は、売買や賃貸の仲介営業のようにきついノルマはありません。
残業時間も少ない
不動産業の所定外労働時間数は、全産業平均と同レベルかやや少ない程度です。
建設業や製造業と比較すると明らかに少ないといえます。
賃貸仲介や売買仲介はお客様ありきのお仕事で、お客様のいいなりになることが多いです。
管理も同じ場面はありますが、問い合わせがなければすぱっと帰れます。
また、最近では電話による対応を午後3時までとしている管理会社なんかも現れ、
メールやお問い合わせフォームの利用により、労働時間の短縮・在宅ワーク化を可能にしている会社も大手では散見されます。
以上のことから、売買仲介や賃貸仲介を経験して、不動産の最前線を知った後、管理会社に転職してくる方が多いです。
賃貸マンションの管理会社の社員のメンタル
メンタルが弱い人だと、心が病んでしまいすぐに会社を退職をすることになってしまいます。
新卒の女の子はよく泣いていました(涙)
例え給料が良かったとしても、メンタルが弱いと長続きしないことは確実ですので、自分自身としっかり向き合い、入社して良いものなのかどうかを考える必要があります。
私はクレームをあびているときは、幽体離脱するくらいのイメージを持って働いています(汗)
強靭なメンタルと、間違っていることに対しては間違っているとはっきり言える能力がないと難しいです。
おかげで、物事をずいぶんはっきりと言える性格になりました。
きつい仕事ではありますが、不動産の世界を極め、いつか大家さんになりたいという強い志があれば、きっと頑張って仕事をすることが出来るでしょう。